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2017.07.13

未分類(刺繍職人日記)

【豪奢な花の打敷】

布地いっぱいの花、花、花!
とっても賑やかで美しい、まるで花束のような打敷のご紹介です。



 

春の桜、牡丹に藤、白モクレン、夏の蓮……
春から夏にかけての季節の移ろいが感じられます◎

平糸、撚糸、金糸を惜しむことなくふんだんに使用し、
沢山の縫い方が駆使されています。
白モクレンの花や、葉っぱを大胆に《抜き》で表現することによって、
全体で見た時の絶妙なバランス感に思わず「うう?ん、お見事!」と唸ってしまいました。
この《抜き》があることによって、花々だけでなく、地色の朱赤が映え、
その朱赤が映えることでまた花々が映え……
という好循環が生み出されつつ、やはり王者の風格といった花言葉の通りの存在感でンバッ!
と咲いて主張する牡丹に視線を奪われます。
牡丹はメインの見せ所でしょうから、視線誘導が巧みです。

よくよく見ると白モクレンの伸びた枝から牡丹の花が咲いており、更には桜まで。
一本の樹から、色んな種類の花が咲く。
手工芸ならではといいますか、現実ではあり得ないからこその自由な表現の面白さですね。
職人さんの遊び心を感じます◎

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