昔の職人さんにとっても渾身の仕事だったのではないかと思わせるような、
大変豪華な総刺繍の打敷です。
中央に金糸の龍、背景は絹糸を横に渡し、
さらにその上から撚り糸を格子にかけるようにして全面に刺繍が施されています。
下が修理後です。

割れていた目のガラスは新しいものに替え古いものは磨き、描き直しました。
目の中の綿も新しくすることで黒目がハッキリして、視線が力強くなりました。

傷みやすい黒やこげ茶の糸は、わずかに残された糸のあとをたどって刺し直しています。

爪の先も鋭さをとりもどしました。
またこの先もお使いいただけるように、ひと針ひと針、細部まで修理させていただきます。