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お知らせ

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2017.10.18

未分類(刺繍職人日記)

【二羽鳳凰の打敷】

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか。
あちこちで金木犀が密やかに香る素敵な時期になりましたね。

甘い香りに誘われるように散歩に出かけたいなと思うものの、京都は生憎の雨続きです。
今朝少し晴れたかと思ったら、今夜からまた雨模様の様子。
雨が降ると金木犀の香りも鈍ってしまい、少し残念です。

寒くなってまいりましたので、お気をつけてお過ごしください。

さて、先日【技術以外の努力】(http://wakohsha.com/diary/?p=4609)で少しご紹介いたしました、
白い二羽鳳凰の打敷の載せ替え作業が仕上がりました。





生地色の変更があり、極細部まで気の抜けない仕事でした。



数色の白が巧みに使われている鳳凰でしたので、載せ替え作業をするのにも
トーンの異なる二色の白を部分によって使い分けております。

写真では殆どわからない程度ですが……。





104年前に作られたとは到底思えないような、素晴らしい保存状態ではありましたが、
やはり部分によって金糸の綴じ糸が少し触るだけでふつふつと取れてしまったり
使用の際によく擦れてしまうような僅かに出っ張ったところや、保管する時にたたんでしまう部分、
染めの具合でもともと弱りやすい濃い色部分の平糸が擦り切れていたりしましたが

該当箇所は適宜補修済みです。

保管の際、たたんで折れてしまう部分に紙筒や巻いた柔らかい布などをかませておくと
刺繍部分にかかる負荷が少しですが軽減されます。
ほんの少しの工夫で刺繍の保ち具合が変わってきますので、可能でしたら是非お試しください。

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