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お知らせ

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2017.06.15

未分類(刺繍職人日記)

【蓮に極楽鳥の大きな打敷!完】

こんにちは。初夏らしい、朝夕は過ごしやすい時期ですね。
あちこちで薔薇が咲いている、と思ったのも束の間、
あっという間に開花の旬が終わってしまいました。

数年前まで東京に住んでいたわたくしは、この薔薇の最盛期に毎年開催されている
【国際バラとガーデニングショウ】によく遊びに行っておりました。

新しく発表された品種のお披露目や、
ガーデニンググッズや花苗の即売があるのは勿論のこと、
来場者の投票で決められるガーデニングコンテストや、
寄せ植え品評会、薔薇を素材にしたアロマ体験、
様々なワークショップ、海外からの薔薇にちなむ雑貨の販売等々。
開場すぐから飛び込んで一日中楽しめる展示会であります。

一番印象に残っているのは、2013年、企画展示で米国のガーデナー
(だけでなく、絵本作家、挿絵作家、人形作家としても活躍した)
故ターシャ・テューダーの【裸足の庭】を再現したもの。
アヒルや仔山羊が駆け回り、地面は芝生で覆い尽くされ、
四季折々の花を緻密ながら人の手や意図を殆ど感じさせない様に、
ごく自然な様子に配した、素朴で優しい庭です。
ピーターラビットの世界観を連想するのは私だけではないはず…。

実際に彼女が精魂込めて世話をし余生を過ごした広大な庭には及びもしないのでしょうが、
小さなその庭を見ながら、そこにはきっとある種のノスタルジーがあるのだろうと思いました。
そのような庭の形式に馴染みのない日本人の私でさえノスタルジーを感じるのだから、
米国の方で、その昔をご存知であればもっと深く胸に迫るものがありましょう。


さて、話が逸れましたが、以前掲載した【蓮に極楽鳥の大きな打敷!】
http://wakohsha.com/diary/?p=4507)の本体部分が完成いたしました。









横幅最大340センチの打敷。
8人掛けのテーブルに置いても端が乗りきらないくらいの大きさです。





糸の傷みより、経年による生地の縮みによって、
刺繍された糸が浮き波打って凸凹してしまっている部分が多くありました。
蓮の葉はそれが顕著ですね。

よ?く見ると、これでもか!これでもか!と、糸で綴じ直してあるのがお分かり頂けるかと思います。
通常よりも手数をかなり多くしてあるので、
今後また何十年とお使い頂くうち元々の綴じ糸が風化して消えてしまっても、
今度は今回の載せ替え修復で綴じ直した糸が刺繍をきちんと押さえてくれます◎

古の職人さんが技術を尽くした見事な刺繍打敷を、
私達は可能な限りそのままの姿で修復、載せ替えし、
ご寺院さまとともに後世へと永く受け継がれていきますようにと願いながら、
今日も明日も奮闘してゆきます!

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